日時:2012年6月30日(土)14時30分~16時30分
場所:長崎市立図書館多目的ホール

「長崎のトイレ文化はもう、いいかい !?」と題した第2回トイレシンポジウムを開催。日本トイレ協会の「平田純一会長」と、昨年に引き続きトイレ設計の第一人者「小林純子」さんの基調講演には、市民の方々はもちろん、行政関係など約200名の方々の参加で関心の高さを実感しました。

「トイレ文化伝道師を自認される話芸に魅了!」
世界の70ヶ国以上を訪問し、トイレ文化を研究してこられた平田会長のお話は、長崎の身近な話題を切り口に、トイレ文化を考えるきっかけとなる大変興味深いものでした。江戸時代の日本と、セザンヌの絵から読み解く当時の西洋のトイレ事情の比較のお話や、地方のトイレ研究の話題が小さな新聞記事になり、そしてそれが全国紙での紹介に波及していき、「トイレ考古学」として出版されるにいたった事例など、聴衆を引きつける話題と話芸は、さすがトイレ文化伝道師を自認なさる平田会長ならではのものでした。

「長崎らしく8カ国語のトイレ表示を!」

「長崎歴史文化博物館の資料閲覧室を利用してトイレに関係する長崎の方言を収集研究してはどうか?」「長崎を訪れる外国人向けに、公共トイレの案内板を国際都市にふさわしく8ヶ国語で表記してはどうか?」といった興味深い提案と共に、全国にトイレ文化を発信するトイレ先進地になってほしいとエールを送っていただきました。今回の長崎訪問で、従来はなかったとされている「出島」の発掘調査でトイレ跡が発見されたことを知ったのは非常に大きい収穫だった、というまさに取れたてのお話も披露していただきました。長崎に住む私たちには「出島」は改めて意識することのない史跡ですが、訪問者にとっては新鮮な知の楽しみの場でもあるのだということに気づかされました。

 
平田純一氏
 
平田会長に頂いた貴重な「下水文化研究」

※講師紹介
1957年東洋陶器(株)(現TOTO)に入社。 トイレの設計、開発、マーケッテイング、広告宣伝などを担当。 1967年頃から現在まで海外70ヶ国以上を訪問、観光とトイレ文化の研究を行う。現在  TOTO(株)顧問、 (社)国際観光施設協会相談役 ●現在の関心事 トイレ文化の国際比較 著書 「トイレの窓から」(扶桑社)「トイレットのなぜ?」(講談社) 「トイレの大常識」(ポプラ社・監修)など

「学校のトイレは10年遅れている!」
小林純子さんには大変お忙しい中を来崎していただきました。学校で排泄が出来ない子供たちが増え、今、問題になっている「学校のトイレ」学校生活の中でのトイレの使われ方や、アンケートから見えてくる子どもたちの思いに胸が痛くなりました。家庭のトイレが時代とともに大きく進化してきているのに比べて、学校のトイレは全国的に見ても随分改修が遅れている現状などを知ることが出来ました。(学校のトイレは10年遅れているそうです。25年も改修していない学校のトイレが75%!) 長崎でも校舎や体育館の耐震改修が進められてきた中で、トイレはずっと後回しにされていることを思うと、もっともっとたくさんの学校の先生方に聞いてほしかったお話でした。 小林さんは自分が過去に設計したトイレを追跡検証していく中での、反省点にも触れられましたが、自らの仕事の反省を、公の場で明らかにすることは大変、勇気のいることだと思います。小林さんの誠実さとトイレ設計に取り組む真摯な姿勢を 改めて知ったことも私たちにとっては、大きな収穫でした。
小林純子氏
来場者からの質問に答える両氏
※講師紹介
設計事務所ゴンドラ代表。1967年日本女子大住居学科卒業、田中・西野設計事務所等を経てゴンドラを設立。日本トイレ協会副会長、文化女子大非常勤講師、ノーマライゼーション研究会副代表。駅、学校、公園等の公共トイレの設計が活動の中心になる。既成概念にとらわれない公共トイレのデザイン、また、持続する快適さの創造が設計テーマ 著書  変わる学校のトイレ(草土文化) 心に響く空間(弘文堂)

当日は昨年同様?雨模様でしたが、200席を用意した市立図書館多目的ホールは有料(500円)にもかかわらずほぼ満席。講演の後の質疑応答も活発で、長崎の公共トイレが安心・安全でみんなにやさしいトイレであって欲しいと望む参加者の皆さんの関心の高さと熱気に、本当に勇気づけられた一日になりました。 シンポジウムの開催を決めてから半年、実行委員の方々やサポートメンバー、市のまちづくり担当の職員の皆さんに支えられて、ようやく開催にこぎつけました。私たち「みんなにやさしいトイレ会議」では、今後は、「トイレタイムス」の発行やトイレ川柳の募集(9月)を企画しております。皆様のご支援をよろしくお願いします。
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